2023/03/08

須田一政「観光写真」展 1986



3月7日は須田一政さんの命日。写真は須田一政「観光写真」展/PAXギャラリーのDM。昨年、フジフイルムスクエアで開催された、人間写真機・須田一政作品展「日本の風景・余白の街で」が開催された、元となる1986年に富士フォトサロン(東京銀座)で開催された「日本の風景・余白の街で」には対をなす、もうひとつの写真展がある。それが「観光写真」展だ。

両展とも1986年に開催されている。「日本の風景・余白の街で」はメーカーギャラリーの富士フォトサロン(東京銀座)、「観光写真」展は自主ギャラリーのPAXギャラリー(東京目黒)。同じ時期に撮影された6×6フジクロームの写真だがセレクトのコンセプトが異なる。

「観光写真」展は、いわゆる観光地で撮影された写真ではない。ここで、観光と名付けられている場所はすべて自殺の名所である。DMのデザイン(配色、紙質)も印象的だ。須田一政さんに企画展をお願いしたとき、自主ギャラリーという自由で実験的な場所ということで、このコンセプトでの展示となった。学校を卒業して2年ほどの若者のお願いを快く受けて頂いた。レセプションパーティはギャラリーが狭いため隣のビルのレストランを貸し切って開催した。至福の時だった。